舞台探訪・聖地巡礼に特化したカメラはどれを選べばいいのかとい考察をしてみます。よくやるネイチャー写真やポートレートも加わるとまた変わってきますが、そこは別にして一般的に近い場面で考えてみます。
基本は広角-標準域を抑えていれば大丈夫
基本は人同士が映るので標準域(35mm換算で50mm前後)があれば大丈夫ですし、少し広角側もあるとよりカットの回収が出来ると思います。最悪トリミングで対応できますし・・・。
広角側(35mm換算で28mmあたり)から標準域と言われるとスマホから一眼レフまでかなりの候補が出てきますが、自分は一応全部使ってきた経緯があるのでそれぞれ書いていきます。
手軽さ重視
標準域前後を抑えてばいい、画質はまあまあでちゃんと撮りたい、コンパクトにしたいなどの人が選ぶ選択肢。一眼レフを持つ人がサブに選ぶのも全然ありだと思います。
1:スマートフォン
スマホのカメラ機能で終わらせる人も多いと思います。筆者自身もカメラを持ってない場合や面倒な場合はこれで終わらせてしまいます。
カメラそのものの機能はあまり優れているとは言えませんが(iPhone7の話です)、中に入っているソフトウェアは超優秀です。白飛びや黒飛びと言ったトラブルの補正もしっかりしてくれるので、下手にカメラ買って失敗するよりは助かることが多いです、優秀。
昼のカメラとしては優秀ですが、光源のある場所にカメラを向けてしまうと一気にダメダメになります。逆光だと流石に補正しきれないのか、訳が分からなくなるし、ノイズはどうにも出来ないのか夜景はかなりキツイ事になります。そしてスマホをカメラとして使うデメリットは聖地カットの確認をし辛くなること。スマホに画像を入れて確認する人はアプリの切り替えが必須なので結構苦労します。
手軽さと投資が少なく済むのがメリットです。下手に安いコンデジを買うぐらいならいいスマホで代用してしまう方がいいって思ってますし、某家電量販店の店員も言ってたので間違いない。
2:デジカメ(コンデジ・ネオ一眼など)
写真を撮りたいけど、重いのは嫌だし手軽なのがいいという人が次に選ぶ選択肢。やっすいコンデジはスマホで良いという結論しか出てないのですが…、スマホにはない機能もあります。
例えばOLYMPUSのtoughシリーズみたいに防水のものは雨で壊れる心配がないですし、ダイビングでのカット回収も容易です。一眼レフでハウジングは重すぎ高すぎというデメリットがあまりにでかいのでコンパクトさが秀でています。
コンバージョンレンズをつけることで超広角や望遠にも対応できる機種があること、最初から狂ってるとしか思えない望遠をもつ機種、一眼レフと同様の画質を搭載した機種など何を優先にするかで選択肢がありすぎるのもこの辺ではないでしょうか。マルチで活躍できるので、聖地カット以外にも使えます。基本は気に入った機種が対応域をカバーしてるかだけです。
ボケにくいというのも難点の一つですが、特化したものさえ買ってしまえば問題ありません。ちょっと高くつくけど…。ちなみに上のモルディブで撮ったカメラは3万ぐらいです。
画質重視、というか趣味。
ようこそ沼素晴らしい世界へ。このへんになってくるとよりこだわりの強い写真を撮れるようになってきます。レンズの交換で画角は簡単に変えられますし、より良いレンズで写真の質が勝手に(ある程度までは)上がります。限度は当然ありますが、そう考えてレンズ沼に落ちる人が多数現れます。
3:ミラーレス一眼(一眼レフを含む初心者機種)
手軽かつ高画質、操作性はコンデジに比べて圧倒的にあがるのが初心者用の機種になります。
レンズの取り回しや絞り、シャッタースピードなどいじれる部分が増えるため、手を出さない人もいますが、完全オートで撮れるのでそこまで苦労はしません。
おすすめはPモードかAモード、Pモードはフラッシュ以外を自動でやってくれるのでコンデジ感覚で使えます。Aモードは絞りの調整をするのですが、端的に言うとぼかして撮りたいかそうでないかをいじるだけなので比較的楽ですし失敗も少ないです。
ただし、雨などが降ると真っ先に守らなければいけなくなります。筆者は雨の中使ってしっかり基盤まで浸水させて壊しました(Canon EOS Kissシリーズ)。どう考えても私が悪いのですが。
4:中級機種・プロ用の機種
フルサイズと呼ばれる高画質を求める人、雨に降られても大丈夫なものが欲しい人などは最終的にここにくることになります。
ここを買う人にカメラの話は耳タコでしょうし、写真の質で文句はほとんど出てきません。その価格と大きさも跳ね上がるので、だいぶ辛くなりますが。
最近では軽めのフルサイズも出てきたので比較的手を出しやすくなってきましたが、それでも躊躇しますね。
使用レンズで頻度の高いもの
・標準レンズ(やや広角-標準域)
引きのカットから対面でのバストショットまで広くカバーできるので重宝しています。35mm換算で28mm開始のレンズが多いのですが、それよりも少し広角側をカバーしているほうが楽になれます。
多少望遠も効くので、より近いカットを撮ることが可能になります。広角だけになると結構苦労します。
・広角レンズ(超広角域)
35mm換算で20mm前後、場合によっては10mm以下が出ています。パースを効かせた撮影によく使います。
人物メインの描写よりも、風景がメインの描写でよく使われます。作家さんによって多用している人も多いので、必要になる場合もありますね。天野こずえさんの作品では見開きのページでよくパースが効いたカットが使われる印象です。
こちらの画像も結局標準で撮るよりも超広角レンズで撮るほうがよりカットに近いですね。これ以上近づけるには車道に出ないと行けないので無理ですし、標準域ではそもそもが厳しいのでこれでいいです。
・望遠レンズ
野鳥・スポーツでは活躍するレンズも聖地巡礼のカット回収では使う機会が少ないです。そもそも望遠での圧縮描写も多いわけではないですし、当然といえばそうなのかもしれません。
ただ、全くない訳でもないですし、場所の関係で近づけない場合には必須になります。でも結構少ない(実際、画像がなくて困ってる)。
結論ですが
どうしても操作性はレンズ交換のカメラに劣りますので、ミラーレスの小型機種が最も適してるのかなって思います。そこから携行性を優先するか、画質や汎用性を重視するかで調整していいと思います。
オマケ:ちなみに筆者の標準装備ですが…
いわゆるプロ機に属するOLYMPUSの E-M1 mark Ⅱがメインとなっています。
理由は雨とかの悪天候でも平気で使うから。上記の通り、何度か壊した経歴がありますので。夜景撮影にも耐えられるぐらいにはなっているので愛用しています。
ただ、つけているものがRSSのプレート、peak desginのホルダー、C-PLフィルターと角形フィルターという何とも形容しがたいものとなってます。これに動画を撮るときはガンマイクが、フラッシュ使いたいときは外部ストロボが装着されます。
マイクロフォーサーズのコンパクトとは一体…。
*本記事では撮影結果との比較研究目的として画像を引用しております。著作権は以下の権利者にそれぞれに帰属しています。
(*1) ©霧弥湖町観光協会
(*2)©2016 天野こずえ/マッグガーデン・夢ヶ丘高校ダイビング部
(*3)新海誠/コミックス・ウェーブ・フィルム、「君の名は。」制作委員会